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■東京都北区 T邸(4/4)

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ライムストーン調で石っぽい素材感の床タイル。滑りにくく、メンテナンス性も高い、室内・室外兼用の床タイルをチョイス。タイルは種類によって、滑りにくさの違いはもちろん、室内にしか使用できないタイルや、同じ品名のタイルでも外部用と室内用で表面の仕上げや色味が異なるなど様々なため、空間のイメージや用途に合わせて慎重に選びたい。

こんにちは。「犬と暮らす家」スタッフの東保(とうぼ)です。「犬と暮らす家」というと、安全性や快適性、利便性といった機能面での配慮を真っ先に考えがちですが、心理面での配慮が非常に大切だと思っています。犬は人のように説明してわかるわけではないので、感じてもらわなければなりません。安全性の高い仕様にしたから犬が安心だと感じるわけではないし、人間にとって快適性の高い仕様にしたから犬が気持ちがいいと感じるわけではないからです。そこで前回までは、どう犬が居心地がよいと感じるかという心理面に配慮した空間デザインについてご説明してきましたが、最終回は、基本となる機能面から快適な住まいを考えます。

「犬と暮らす家」で最も重要な仕上材は床材だと思います。人も犬も体が直接いちばん触れる場所が床だからです。あるデータによると、犬の関節炎の70%以上は床が滑りやすいことが原因で引き起こされているそうです。床材の選定は、居心地の良さだけでなく、犬の健康を維持するためにも重要な要素です。

理想を言えば、滑らずクッション性の高いカーペット敷きがベストですが、新築の家では見た目の部分で嫌がられる方が多いです。また、犬種にもよりますが、犬の抜け毛による日々の掃除の大変さやダニ、ハウスダストなどの問題を考えると、カーペットという選択を躊躇される方が多いと思います。

ただ、一般的なフローリングは滑りやすいため、あまりお薦めはできません。犬が恐怖心を抱き、関節炎を悪化させる恐れもあります。また、ワックスフリー加工などで耐アンモニア性を高めたフローリングもありますが、滑りやすいものも多く、犬のおしっこが長時間放置されると変色することがありますので、トイレのしつけもしっかりしておく必要があります。

そう考えると、現実的な選択肢としては、タイルの床がベターでしょう。滑りにくく、汚れにも強いため、清潔さやお手入れの面でもお薦めできます。T邸では、外と内と兼用できる床タイルを使用しました。玄関ポーチとパティオ(中庭)にも同じ床タイルを使用していますので、デザインの統一感と空間の広がりも生み出しています。

また床タイルの貼り方は、土間と同じくコンクリートの床にモルタルで貼る場合と、木の床に接着材で貼る場合とがあります。土間はお手入れの面では水洗いできるメリットがありますが、床が硬いため足腰にかかる負担が大きくなりますので、クッション性を考えると土間は最小限にした方がいいと思います。そのためT邸は、玄関周り以外は木の床への接着貼りにしました。お手入れの面では遜色ありませんし、床タイルならではの夏場のひんやりと冷たい感触や、冬場の床暖房によるポカポカ感があります。

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そのほか快適性を追求して検討したのは犬くぐり「Pet Door」です。冷暖房の効率を考えて、「犬くぐり」を設けるかどうかもみなさんが悩まれることの一つではないでしょうか。「Pet Door」を設けたペット専用の内部建具もありますが、残念ながら見た目にあまりいいものはありませんし、そこだけ他と違うドアになるのは、インテリア的にも違和感があります。特注でオリジナルデザインのドアをつくることも可能ですが、かなり割高になってしまいます。そう考えますと、ドアではなく壁面に「Pet Door」を設けるのが現実的な選択になります。

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T邸では「Pet Door」の存在が目立たないように、室内側からは造り付けのリビングボードの下に設置。廊下側からは入口を壁の表面ではなく、少し奥まった位置に設けた。こうすることで取って付けたような感じのしない空間に。「Pet Door」はフタ付きで、廊下側に出られなくすることも可能。

さらに、ペットと暮らす場合に気になるのが「におい」の問題。毎日暮らしている家族は慣れてくるかもしれませんが、お客さまが訪ねて来られたときなどを考えると、ちゃんと配慮しておきたいです。そこでお薦めしたいのが「珪藻土」や「漆喰」などの塗り壁。においを抑えるだけでなく、湿気を取るなどの調湿効果やホルムアルデヒドなどの発散を抑える効果もあります。T邸では、コスト面も考え、リビングの壁一面だけを「珪藻土」で仕上げました。間接照明と組み合わせると、インテリアのアクセントウォールになりますので、ぜひお薦めしたいですね。

そのほか、ミサワホームは、24時間フロアセントラル換気システムが標準ですが、犬のハウスには「サイクロン式の換気扇」を設置。また犬のトイレの近くに、照度センサー付き(暗くなったら点灯する)フットライトや、天井面にセンサー付き換気扇をつける工夫も取り入れました。

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犬のトイレ上部の目立たない位置にセンサー付きの天井換気扇を設置し、ニオイ対策も万全。

こうした細かい配慮が、結果として犬にとっても人にとっても居心地のいい空間につながればと思います。

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東保 吉信
ミサワホーム株式会社 販売商品企画部

新商品の企画・マーケティングを担当しています。実家でコリー犬を飼っていたことや妻の動物好きが影響したのか、いつの間にか私も愛犬家の仲間入りをしていました。2004年CENTURY「蔵のある家」を発売した際に、土間床の「1階の蔵」を活用した「犬と暮らす家」の企画に携わり、犬の専門家のお話も伺いながら随分勉強をさせていただきました。本格的な商品化は非常に難しいテーマですが、自分のライフワークのひとつとして今後も考えていきたいと思っています。

所在地:〒163-0833 東京都新宿区西新宿2-4-1
メールアドレス:esumai[アットマーク]home.misawa.co.jp

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